「百年に1度」と言われる世界的な金融危機に直面して、中国の経済はどのように進展するのか、中国政府はどのようにリスクを避けるのか、どのように危機に対応するのか。これらの問題が内外から注目されている。このような背景の下で開かれた国務院常務会議は中国を観察するための重要な窓口ともなっている。

中国政府ウェブサイトの資料によると、昨年11月5日、国務院は常務会議を開き、内需をさらに拡大し、経済の安定とスピーディーな成長を促す措置を検討・配置した。そして、今年6月17日に開かれ、当面の経済情勢を分析し、次の段階における経済活動を検討・配置した常務会議に至るまで、国務院は39回にわたって常務会議を開催した。

39回目の国務院常務会議の議題と政策策定から見れば、科学的発展観によって経済・社会発展の全局を統一的に指導し、世界金融危機に科学的に対応し、経済成長・民生・安定の確保を重視し、経済の安定とスピーディーな発展を促進し、国民経済の健全かつ急速な発展を推進することが、国務院常務会議が危機の下で国の経済と国民生活をきめ細かく計画するための中心的テーマであり、第39回国務院常務会議を貫く中心路線でもある。

具体的に見れば、今回の国務院常務会議は国の経済と国民生活を巡って、次の8つの面で具体的な布石を打った。

(1)国内需要を拡大する。国外需要が大幅に減っている状況のもと、経済成長の減速と通貨緊縮を抑制し、成長確保を実現するには、内需を拡大するのが必要であることはマクロ経済学の一般的な原理である。内需には消費需要と投資需要が含まれている。国務院は何回も常務会議を開き、これについて一連の布石を打った。

昨年11月初め、国務院常務会議は内需をさらに拡大し、4兆元の景気刺激一括計画とも言われる経済成長を促す10項目の措置を講じると同時に、財政政策と通貨政策を大きく調整し、積極的な財政政策と適度に緩和された通貨政策を実行した。企業と社会の投資意欲を引き出し、投資需要を拡大し、投資構造を調整し、最適化させるため、国務院はさらに常務会議を開き、現行の固定資産投資プロジェクトの資本金比率を調整した。

景気刺激のための10項目の措置から、頻繁に登場する社会建設策に至るまで、国務院は投資の目標と方向を明確にし、終始、民生を際立った位置に置いている。医療衛生改革の推進を速め、年金の基準を引き上げ、都市・農村の住民の収入を増やし、社会保険を普及させるといった措置は、消費に対する人々の後顧の憂いを軽減し、住民の消費を拡大するのに役立つものである。

(2)国外需要を安定させる。国内・国外という2つの大局を統一的に計画・配置することは、中央政府が世界金融危機に対応するための重要な方針である。内需の拡大は中国が世界金融危機に対応し、経済を発展させる長期的な戦略・方針であり、外需の安定は就業を増加し、企業の発展を促し、これによって国内消費をけん引するのに重要な役割を持っており、経済構造を調整し、経済の発展方式を転換させるために有利な条件をつくりだすものでもある。当面および今後の一時期において、外需の萎縮による輸出減少は依然として中国の経済成長が直面する最も大きな難題である。国務院は外需の安定について専門に常務会議を開き、内需拡大を外需安定と結びつけ、あらゆる方法で外需を安定させ、世界金融危機が中国の対外貿易にもたらす影響を最低限に減らすよう努めることを求め、一連の相応な措置を打ち出した。
 
(3)産業の振興を促す。産業が盛んになれば、経済も盛んになる。今年1月14日から2月25日にかけて、国務院は6回にわたって常務会議を開き、自動車、鉄鋼、繊維、装備製造、造船、電子情報、軽工業、石油化学、非鉄金属、物流など10の重点産業における調整・振興計画を相次いで審議・採択した。

産業振興のカギは構造調整にある。「高投資・高消耗・高排出・不調和・循環難・低効率」の粗放型の成長方式を早急に変えなければ、資源や環境への圧力がますます大きくなり、急速な発展の代価もますます高くなる。中国が打ち出した一連の産業振興刺激策は「投資のための投資」ではなく、発展方式の転換の加速と構造調整を経済成長確保の方向性とし、内需拡大を構造調整と結びつけるのに意を注ぐものだ。

(4)地域の発展を統一的に計画する。地域をバランスよく発展させ、生産力の配置を最適化することは、国務院常務会議が優先的に策定した重点分野の一つである。珠江デルタ地域では改革・発展を推進し、重慶市では都市・農村の改革・発展を統一的に計画し、上海では現代的サービス業と先進的製造業の発展を速めて国際金融センターと国際航空・水上運輸センターを建設し、台湾海峡西岸経済区の建設を速める、といった地域振興措置が相次いで打ち出されてきた。

(5)民生をさらに改善する。今回の国務院常務会議では、教育、医療、住宅から就業、社会保険、救助に至るまで、民生に関わる議題が多かった。農民の収入を増やし、小中学校教師の待遇を引き上げ、就業ゼロの家庭、就業に困っている人への援助を強め、大学卒業生の就業相談サービスを強化し、医薬衛生体制改革を推進し、住民の医療負担を軽減し、退職者の年金基準と都市・農村の住民の最低生活保障基準を高めるなどの政策が打ち出された。

(6)農業の発展を安定させる。ここ数年、農業と農村の発展は国民経済の安定とスピーディーな発展の維持、社会の調和と安定の維持に大きな貢献をしてきた。現在、世界金融危機が持続的にまん延し、中国の農業と農村経済にもたらす負の影響が徐々に現われてきた。世界金融危機の下、どのように農業発展を安定させ、農民の収入増を促すかは、党中央、国務院が非常に関心を寄せる問題である。国務院は何回も常務会議を開き、農業を強化し、農民に恩恵をもたらす政策や措置を提起するとともに、「さらに的を絞った、さらに有力な措置を講じて、農民の労働意欲を守り、農業の発展を安定させ、農民の収入増を促す」と強調している。

(7)各項目の重点改革を推進する。今年は「第11次5カ年計画」(2006~2010年)を実行する肝心な年であり、21世紀に入ってから中国の経済・社会の発展が最も困難な1年でもある。複雑な局面に直面して、改革を推進する必要があるかどうかは、人々が関心を持つ焦点の一つとなっている。国務院常務会議は「2009年の経済体制改革活動の深化に関する意見」を原則的に採択し、今年重点的に推進する10項目の改革課題を確定した。

(8)新型インフルエンザを予防・抑制する。世界的な金融危機に対応する特別な歴史的時期において、世界で新型インフルエンザによる感染が爆発した。世界各国間の往来は頻繁であり、特に中国は疫病の発生状況が深刻な地区との人的往来が多いため、終始、疫病の国内流入の危険に直面している。疫病の発生状況は広大な民衆の健康と生命の安全に直接関わっており、経済の安定とスピーディーな発展にも関わるものであるため、差し迫って解決する必要がある課題である。国務院はこれについて何回も常務会議を開き、新型インフルエンザの予防・抑制作業を検討・配置した。

「北京週報日本語版」2009年6月26日